温泉手帖♨︎

温泉ソムリエの温泉備忘録

七里田温泉 下ん湯(大分)

日本屈指、驚異の炭酸泉と評判の七里田温泉。久住高原東部の静かな田園地帯にある、長湯温泉から車で10分ほどの温泉地。弥生時代にはすでに存在していた記録がある長い歴史を持つ炭酸泉。弥生時代って紀元前から。最古と言われる道後温泉はそれより古い紀元前10世紀とか、縄文時代

目当ての下ん湯は、もともとは地域の共同浴場で、今は一般に開放されている。

下ん湯、通称ラムネの湯に入るためにはまず、100mほど離れた場所にある七里田温泉館へ。

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券売機で入湯料500円を払い、さらに受付に1,000円を預けるとラムネ湯の鍵がもらえる。鍵の保証料みたいなもので、返却時に返金してくれる。

必ず内側から鍵をかけて入るように念を押され、歩いてラムネ湯に向かう。

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湯小屋は川のそばに建っているのだけど、この川がなんだか美しかった。温泉⁈
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こちらの黄色い建物。男女別の内風呂がひとつずつ。出入り口は1箇所。

『日本無類の炭酸泉』と書いてある。日本屈指とか、日本一の炭酸泉とか言われている下ん湯。長年気になり続けていたけど、日帰り温泉ってタイミングが難しくてやっと来られた。

鍵を開けて中に入り、中から鍵を閉める。

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入るとすぐ細い廊下で目の前に温泉分析書。左右に男湯と女湯に分かれている。

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入ってすぐ靴を脱ぎ、こじんまりした脱衣所がある。壁に脱衣棚。2、3人だと狭くはないけど、帰りがけは6人組(内3人は子ども)と一緒になり、棚の前には居られず窓枠に荷物を移動させて着替えた。

脱衣所と浴室の間の引き戸を開けると、階段があり、降りたところがほんの小さな洗い場スペースで、その一歩先が湯船。

たった3段の階段なんだけど、とても低いところに湯船があり、また湯船から見上げるとすごく高いところに脱衣所があるように感じる。

いま思い出してみても、ほんとに3段だったか?と思うほど高さがあるイメージ。

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降りたところは、湯船から溢れ出たお湯が流れていて、赤茶色に染まってる。お湯は無色透明。

もったいないほど流れ出ていくお湯。毎分200ℓも自噴している。もったいない。
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リンスインシャンプーとボディソープがあり、カランが左右に2つあったような。でも洗い場スペースと呼べるようなスペースじゃなく、そこにしゃがんでかけ湯すると、しぶきが湯に浸かっている人にかかるほどの狭さ。

析出物がたっぷりついた小さな湯船。気持ちよく入るなら6人が限度。

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入浴時間は1時間以内と決められていて、おそらく皆さん1時間入ってる。5、6人入ってる時に脱衣所に人が入ってきたら、げっと思う。

湯口や湯船だけじゃなく、床一面に赤茶けた析出物。鉄分やカルシウム成分が多い。

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わくわくしながら、湯に足を踏み入れる。

暖かい!

炭酸泉=冷たいイメージからか、適温だって分かってはいたけど、暖かくて嬉しい。というか、この季節に超絶気持ちいい適温。源泉は36.3度で、この日の湯船の温度は35.9度。体感はもう1、2度暖かく感じる。

長湯温泉 大丸旅館 ラムネ温泉(大分) - 温泉手帖♨︎は32.3度。特に冬だったので、もっと冷たかったんだろうな。寒くて寒くて、体に付いた泡に『さむい』と字を描いていた記憶が。

最高に気持ちいいぬる湯の適温に感動。ぬるいんだけど、暖かい。

お湯に浸かった瞬間から、身体中にすんごい泡が付く。じっとしていたら泡が付き始めるではなく、すぐに付く。で、すぐにぱちぱちと弾けていく。サイダーの中に飛び込んでしまった感じ。

身体に付いた泡は見る見る大きくなって、どんどん肌から離れて、湯面がぱちぱち弾ける。身体を動かさなくても泡がしゅわしゅわぱちぱちと弾けてる。

湯面がこんなことに。

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これ程泡付きがすごいのは、源泉と湯船の距離が近く1m以下の至近距離だから。それに湯量が豊富な自噴泉なので、源泉の投入量がめちゃくちゃ多い。

日本一の炭酸泉、納得。

炭酸ガスを多量に含む二酸化炭素泉で遊離炭酸が1113mg。長湯温泉のラムネ温泉は1380mgだけど、ラムネ温泉よりも泡付きの度合いはすごい。

炭酸ガスの濃度が高すぎて、二酸化炭素が充満してしまうことがあり、過去には死亡事故も。扇風機を回し換気しながら入浴する。

炭酸ガスは体内へ吸収され、血管を拡張して血圧を下げる「心臓の湯」。また、皮膚の炎症を抑えたり、リウマチ、坐骨神経痛のような痛みにも効果がある。

血行がよくなるので、ぬるくてもじわじわと身体の中から暖まり、ぽかぽかになる。

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泉質名は含二酸化炭素-マグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉。ラムネ温泉ととても似た泉質。こちらの方が少し濃い。じっとりねっとりした肌触り。

古い角質も溶かしてくれるし、メタケイ酸が185mgも含まれているので、保湿効果もある。こんなに浴感が気持ちいい上、ぬる湯で長湯できて、美肌効果もあるなんて、やばい。

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湯口付近の弾ける泡が凄まじい。サイダーのように激しく炭酸の泡が弾け飛んでるのが見える。これでも以前に比べると泡付きが弱くなっているんだそう。常連のおばあちゃんが教えてくれた。

昔から飲用されていて胃腸に効く。甘みがあり癖のない炭酸。鉄の匂いは気にならない。

近くに住んで、毎日入りたい。近所のおばあちゃんが羨ましい。

 

七里田温泉 下ん湯

★★★★★

二酸化炭素-マグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉

36.3度

pH 6.3

200ℓ/分

内風呂(男1女1)

加水加温循環消毒なし

2020.9.21 日帰り入浴