温泉手帖♨︎

温泉ソムリエの温泉備忘録

沓掛温泉 満山荘(長野)

上田駅から車で30分ほどの上田市の西に位置する青木村。田園風景が広がる長閑な山間に湧く沓掛温泉。

沓掛は、旅人が草鞋や沓を神に捧げて、旅の平穏を祈ったことに由来する地名で、日本各地にその名が残ってる。

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青木村の沓掛温泉は、今は旅館2件の小さな温泉地だけど、開湯は平安時代で1200年の歴史がある。

滋野親王が眼の病を治したと言い伝えられる名湯で「万の病症に効顕著しきこと他に比いなし」といわれた薬湯。

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満山荘は、4年前に後継者不在で閉館したおもとや旅館を再オープンした宿。

同県上高井郡高山村の信州高山温泉郷のひとつ奥山田温泉に、1964年に創業した満山荘。共同源泉の施設老朽化のために2016年にやむなく閉館。同じ時期に閉館予定だったおもとや旅館を引き継いだ。ふた宿とも日本秘湯を守る会の会員。

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おもとや旅館は昭和31年の建物だそうで、結構年季が入ってるけど、出来る限りの手を加えながら利用している感じ。古くても清潔でさえあれば問題ない。

玄関ロビーが1階で、大浴場は階段を少し降りた地下1階にある。地下といっても斜面に建っているので、暗さはない。

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22時に男女入れ替えで、一晩中ずっと入ることができる。
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まずは左奥の浴室から。想像よりゆったりした脱衣所。ドライヤーもある。

内風呂と露天風呂が1つずつあり、それぞれにシャワーが2つずつある。
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こじんまりした内風呂。湯底には簀子が引いてある。湯船の中の段差には陶器みたいなタイルみたいなのが敷いてある。滑り止めかな。

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内風呂はアルカリ性単純泉。源泉温度が34度と低いので、加温してかけ流し。40度ちょっとの湯温。

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pH9.2と結構なアルカリ泉なのだけど、あまりぬるぬるではない。
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2本の源泉を使い分けていて、露天風呂がぬるめだと分かってるので、内風呂は確認もそこそこに外へ出る。
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こちらの浴場の露天風呂は万葉の湯。f:id:ayumu27:20200822203628j:image

広めの湯船。シャワーがあり、シャンプーなどもある。完全に屋根があるので、半露天風呂かな。

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斜面側が完全にオープンで、緑の木々が間近にせまる。

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田山花袋が『信州には著名な温泉が数多いが、沓掛温泉ほど四季とりどりの美しさに恵まれた処は無い』と讃えたそう。

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L字型の湯船で、入り口には一段段差。

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源泉が空気に触れないように、湯船の底まで延びた塩ビ管から投入されている。
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38.5度の硫黄泉が源泉のままかけ流し。硫黄の香りがほんのりで心地いい。
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湯船の湯温は37.5度前後の超気持ちのいいぬる湯。

出入り口側にも塩ビ管があり、そこからも湯が投入されてるっぽい。

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白いふわりとした湯の花がちらほら。

壁側は縁の部分を越えて湯が行き来していて
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洗い場側にかけ流されている。
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これも排湯口なのかな。
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こういうの何度か見たけど、それはゴーゴー湯が吸い込まれていってた気がする。
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寝湯用の枕あり。使わないけど。
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こちらの硫黄泉もpH9.3のアルカリ泉だけど、それほどぬるぬる感はない。じっとり肌に馴染む硫酸塩泉みたいな肌触り。

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pH値が高く肌にもいいと、1200年も薬湯として親しまれてきた沓掛温泉。薬湯って、松之山温泉 ひなの宿千歳(新潟) - 温泉手帖♨︎松之山温泉 玉城屋旅館(新潟) - 温泉手帖♨︎草津温泉 大滝乃湯(群馬) - 温泉手帖♨︎有馬温泉 御所坊(兵庫) - 温泉手帖♨︎みたいなすごく濃いお湯を思い浮かべるので、単純温泉と優しい硫黄泉ではちょっと薬湯感はない。むしろ美肌の湯。
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季節ごとに花や紅葉など、四季折々の自然を感じられる露天風呂。ちょうどピンクの百日紅が咲いてる。
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もうひとつの浴場は、少し脱衣所が狭め。

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内風呂は同じような造りで、シャワーは4つ。こちらは露天風呂にはシャワーはない。

湯船の向こうに見えてるのが露天風呂へ続く階段。
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湯口からは47度弱くらいに加温された単純泉が投入され、湯船の湯温は40度ちょっと。
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脱衣所と浴室の間の戸は、露天風呂への出入り口でもあり、こんな開けっ放しの状態のまま。
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引き戸の奥に扉があり、そこから階段で降っていく。
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一応、屋根と手摺りはあるけど、明るい時間じゃないと、少し心細い階段。虫とか怖い。
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野天風呂の沓掛の湯。
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湯船がふたつ。大きいのと小さいの。源泉かけ流しで36度くらいとの事前情報。夏にぴったり。

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シャワーはない。
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2つの湯船の間にパイプが3本通ってたけど、蓋が塞がれていて湯の行き来はなく、
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縁がやや低くなっていて、ここを越えて大きい湯船に湯が流れている。
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大きい湯船は、硫黄の香りはほんとにほんのりしかしないので、大半が単純泉なのかな。
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湯口から出ているのは、34.7度の単純泉。源泉そのままかけ流し。顔を洗うとつるんつるんする。
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湯口の近くにいると泡付きがある。真夏にはこのぬるさがちょうどいい。
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湯船全体の湯温は38度弱。湯口からは34.7度の源泉が注がれているけど、パイプから加温湯が投入されているんだと思う。f:id:ayumu27:20200827203615j:image

細かめの白い湯の花。ふわりとしたのは少しだけ。

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縁の外側へかけ流されている。
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もう一つの小さい湯船は2人は入れるけど、誰か入ってたら入りにくい広さ。
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一段段差があり、ピンクのパイプも見えてる。
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こちらはしっかり硫黄の香り。

硫黄泉はメラニンの生成を防ぐ美白効果があるし、アルカリ泉も古い角質を溶かしてくれる。湯上がりの肌がするするで、気持ちいい。
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立派な沓掛の瓦。
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掛瓦から湯が投入されているのだけど、横から見ると2つの湯の流れ。

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46度くらいに加温された単純泉と、38.5度の硫黄泉の源泉かけ流し。湯船は38度弱。長湯に最適な湯温で何時間でも入っていられる。f:id:ayumu27:20200827203542j:image

白い大きめの湯の花がふわりと舞ってる。硫黄の香りが心地いい。
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パイプからは加温湯が出てる。真夏だからそんなに加温しなくても、硫黄泉の方は源泉そのままでよさそうだけどな。
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カニ!蟹、カニがいた。こんなぬる湯でも茹で上がっちゃうのかな。オレンジ色だった。
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野天風呂の沓掛の湯の上に、露天風呂の万葉の湯があり、ざばざばとかけ流されているのが見える。
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アルカリの硫黄泉が好きなので、万葉の湯が1番ぬるくて硫黄感があっていいかな。でも、湯口が湯底なので、新鮮な源泉で顔を洗ったりはできない。そうなると、沓掛の湯の小さい湯船か。

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評判は聞いていたけど、想像を遥かに上回るお料理だった。
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女将の明子さん、フレンチの修行とかしてないらしい。驚き。

 

沓掛温泉 満山荘

★★★★

〔沓掛温泉1号泉〕

アルカリ性単純温泉

34.7度

pH 9.2

〔沓掛温泉3号泉〕

アルカリ性単純硫黄温泉

38.5度

pH 9.3

内湯2 露天風呂2

加水循環消毒なし 加温あり

2020.8.22 宿泊