温泉手帖♨︎

温泉ソムリエの温泉備忘録

赤城温泉 にごり湯の宿 赤城温泉ホテル(群馬)

日本百名山のひとつ赤城山の南麓、標高700mから900mに位置する赤城温泉郷は、赤城温泉、忠治温泉、滝沢温泉の5件の宿の集まり。

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新幹線の高崎駅からは車で約1時間、前橋駅からは40分ほど。最寄りは上毛電鉄大胡駅で宿まで25分。

この日は雨で山は白い靄の中。

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豊かな自然に囲まれ、古くから「赤城山に霊泉あり、傷病の禽獣集まる」と言われた古湯。
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中腹900mに建つ温泉旅館、にごり湯の宿 赤城温泉ホテル。元禄13年創業、320年もの間、上州の薬湯として親しまれてきた温泉宿で、現在で10代目。

8代目のご主人の辞世の句なのかしら、玄関に石碑がある。

『成し終えて赤城の山に果てるとも湧き出る湯こそ吾命かな』

こういう志だからこそ、長い間このお湯が守られてきてるんだなと、めいっぱい堪能した帰り際おじいさんに感謝。
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大浴場の入り口は、ロビー階にあるけど、そこから階段で上っていく。
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男女入れ替えはなく、一晩中入ることができる。すごくいい。
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清潔な脱衣所。

撮影禁止だけど、独泉なので失礼して。
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シャワーは2面に6つか7つくらい。内湯がひとつと、ドアを開けた先に露天風呂がひとつ。
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こ、この床、たまらない。

湧出時は無色透明だけど、空気に触れると茶褐色に変わる。鉄分やカルシウムが豊富なお湯。

湯舟や床に付いた湯の花の造形は、成分が濃厚だからこそ。

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カルシウム・ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩温泉で、溶存物質は3096mg。

しっかりにごり湯で、これほどの析出物。カルシウムが多いと石灰花が出来るんだろうけど、カルシウムイオンは240mgでそれほどでもない。
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旦那さんが二股らじうむ温泉 二股らじうむ温泉旅館(北海道) - 温泉手帖♨︎みたいだなと言っていたけど、二股らじうむのカルシウムイオンは609mg。まぁ、あそこは浸かっている間に、お腹や身体にカルシウムのパリパリの膜が溜まっていくものね。成分の総計も9190mgと3倍。

ただ、個人的には塩分の少ないこちらの湯の方が身体にも合うし、好き。重曹成分で古い角質を落とす美肌の湯だし。

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およそ50年前の雨水が地中に滲み込んで、自然湧出しているんだそう。イメージより若いお湯。

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えぐみも苦みもない。甘くて飲みやすい味。鉄の香りはきつ過ぎない。

この可愛すぎる湯口から、すごい勢いで源泉が出てくる。
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この日は、女湯の湯量が特別多い日だったみたいで、湯温も結構熱かった。42.5度くらい。

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毎分31ℓ湧く源泉を、すぐ近くの御宿 総本家と半分ずつ。

自然湧出の生きている源泉は、赤城山の気分次第で量や噴出の向きが変わるため、宿全体の湯量も変わるし、男湯女湯別館に振り分けられる量も異なるそう。

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ざばざばと勢いよく投入されたお湯はこちらから排出、されてるのだと思ってたけど
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もしかしたら、この湯がそのまま露天風呂に流れていたのかもしれない。今思えば。

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ちょうど内湯から出てく場所と同じところから、露天風呂の湯船にお湯が流れ込んでる、ような気がする。
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43度の源泉が直接入る内湯は熱いけれど、それが流れ込む露天風呂はいい感じのぬる湯。

源泉かけ流しにこだわっているので、内湯が熱いのはしかたないのかな。また、寒い時期の露天風呂がぬる過ぎることがあるのもしかり。

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向かって左手前から湯が注がれ、その正面の左奥から湯が排出されているので、左側は暖かめ、右側はさらにぬるいエリア。

でもぬる湯好きにはたまらない露天風呂。この日は39度前後。くー、最高の湯加減。

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ぬるくても、遊離二酸化炭素が360mgも含まれているので、炭酸ガスの効果で代謝が良くなり、体の芯から暖まる。

肌に泡付きがありふわりとした肌触り。ぬるぬるではなく、じっとりした湯感触。

鉄色のオレンジっぽい湯の花や白い細かい湯の花がたくさん。湯面は白い膜が浮いてる。
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露天風呂の析出物はサンゴみたいな、エノキみたいな。

これ、どこかで見たことある。北霧島の北霧島温泉 恵の湯 神の郷温泉(宮崎) - 温泉手帖♨︎の露天風呂だ。

温泉分析書を比べてみたら、かなり似てた。

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大きさは狭くはないけど、3人くらいが限度かな。チェックインからアウトまでずっと入れるので、できるだけ空いてる時間、誰ともかぶらない時間にゆっくり入りたい湯船。

客室は全室渓流沿いで、本館が10室、別館が3室。別館あづまやは3室のうち2室に源泉かけ流しの客室専用風呂がついてる。

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「さくら」はメゾネットタイプで、1階に源泉かけ流しの寝湯と、大きめの温泉じゃない檜風呂があるタイプ。

湯量の問題とかけ流しにこだわることから、温泉を寝湯だけにしているのは理解できる。

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寝湯も檜の湯船。温泉の湯量は変えられず、湯温はお湯とお水のカランで調節する。もちろん、薄まるので使わないけど。

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43度の源泉で小さめの湯船なので、熱すぎるだろうと思っていたけど、投入される湯量が少ないこともあり、41度から42度弱くらいの入りやすい適温だった。

最初、泡付きもあり肌をさするとふわりとする。
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寝湯の角度は微妙で、斜めになってない部分に腰を下ろし、足は横膝で入る感じ。私的には枕木に頭を乗せるのは無理な長さと角度。それでも角度もせまさも苦痛ではなく入っていられる。

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とはいえ、ぬる湯に何時間も入るのが常な我が家なので、セルフで桶でお湯を運び、もうひとつの大きな湯船を源泉100%のぬる湯の湯船に。35度くらいだった。

こちらの方が広々ゆったりだし、頭を縁に預けられてリラックスして浸かれる。

冷えてきたらまた桶で温泉を足したり、暖かい源泉風呂と交互浴したり。

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滞在中、湯量も湯温も色も変化してた。
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湯の花がたくさんで白く濁り気味だったり

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湯面に膜が浮いてたり、泡が多かったり。

若女将が「赤城山の気分次第なの」と言ってたとおり。

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湯上がりの肌はさらする。重曹泉の効果。

カルシウムやマグネシウムイオンは神経痛や傷とかの鎮静作用もある。炭酸ガスのおかげか、足先も朝まで冷えなかった。

朝起きたら窓が黄緑色でびっくり。前日は真っ白で何も見えなかったから。

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1階の浴室の前はテラスがあり出られる。

チェックアウトの11時ギリギリまで名残り惜しくお湯を堪能。
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帰り際、玄関先の新緑の中に桜が残ってた。
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秋がベストシーズンだと教えてもらったけど、春も捨てがたい。
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車の移動時に置いたであろう、お礼の書かれた押し花のしおりが車中に残されてた。何から何まで気配りがすごい。

 

赤城温泉 にごり湯の宿 赤城温泉ホテル

★★★★★

カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉

42.9度

pH 6.5

31.1ℓ/分 (掘削自噴)

内湯(男1女1)露天風呂(男1女1)別館客室風呂2

加温加水循環消毒なし