温泉手帖♨︎

温泉ソムリエの温泉備忘録

二日市温泉 大丸別荘(福岡)

福岡空港から車で35分の筑紫野市にある二日市温泉。8軒の旅館とホテル、2軒の共同浴場(博多湯、御前湯)があり、博多の奥座敷といわれている。

万葉集にも歌われた歴史ある温泉で、開湯は奈良時代、1,300年も湧き続けてる。

100年ほど前までは、福岡県では二日市温泉が唯一の温泉だったので、古典に出てくる筑紫の温泉の記述は、すべて二日市温泉だったと考えられているそう。

古くは大伴旅人(家持の父)、夏目漱石高浜虚子もここで一句詠んでる。

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創業が慶応元年(1865年)、慶応、明治、大正、昭和、平成、令和と150有余年続く老舗旅館、大丸別荘。昭和天皇江沢民美空ひばりなどにも縁がある。
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建てられた年代により大正亭、平安亭、昭和亭の3つの宿泊棟と一戸建の離れ蓮魚庵があり、それぞれ趣が異なる41室の宿。

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最も古い建物が離れの蓮魚庵で、檜の内風呂付き。

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日本庭園を囲むように大正7年築の大正亭がある。大正亭には専用の貸切家族湯が2つあり、源泉かけ流しで24時間入浴可能。泊まってないのでHPの写真を拝借して、こんな感じの広めの貸切風呂。

「水心の湯」と

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「芦の湯」。すごい広い。

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次に昭和亭は昭和45年に建築された古民家風の部屋。檜の内風呂があるけど温泉じゃない。

泊まったのは平成元年に建築された数寄屋造りの平安亭。檜の内風呂が温泉だから。

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丸い窓が趣ある。
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6500坪の広大な敷地の中に建っているので、窓の向こうは緑。

桜も見える。
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温泉を自由に注ぎ、調整して入れる。ほんのりと硫黄の香るお湯。
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部屋の温泉は旦那さん用で、私は大浴場の調査へ。

筑紫野市周辺には、約9千万年前にできた早良花崗岩が広く分布していて、この岩にはウランを含有したモナズ石という鉱物が多く含まれているそう。ウランがラジウムラドンに変化していくときに出る熱で、鷺田川付近の地下水が暖められ、地上に湧出したのが二日市温泉

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以前はアルカリ性単純弱放射能泉だったようだけど、現在の泉質名はアルカリ性単純硫黄温泉。心地よくほんのり硫黄の匂いがする。
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大浴場は男女別で内湯のみ。入れ替えはない。同じ造りの湯船だそう。夜は25時半まで、翌朝は5時から10時まで入浴できる。

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大浴場「次田の湯」は自然の川と滝つぼをイメージして作られている。100坪もあるという大きな浴室に、長く大きな湯船。
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2面が窓で明るさと開放感がある。木々に囲まれていて、緑に癒される。昨夜入った時は真っ暗だったので、絶対に明るい時間に入るべき。
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大きな湯船は1つだけど、2つの部分から成っていて、奥は深く、出入り口側は浅い。
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湯船に入る手すりがあるところは奥の深い部分。ちょうど段差のところから湯が溢れ出ていくようになっていて、足が清潔で気持ちよくていい。

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もう1カ所洗い場の方にかけ流されていく箇所がある。
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石造りの湯船。

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湯船の中に段差があり水深が90cmもある。そこに天然の丸い川石が敷き詰められ、自然の川底を演出してる。

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白隠禅師の秘法、足心入浴法というのが浴室の入り口に掲げてある。

深さ90cmの下流より、ゆっくり足の裏のツボを刺激しながら歩く足効法。

この石、結構大きめであまり足裏は痛くない。湯船よりも洗い場のでこぼこした床の方が刺激があった。

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湯口には霊湯源泉と書いてあり、柄杓も置いてあるので、飲泉ができるみたい。
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顔を近づけると硫黄の匂いがふわりとして、味もほんのり香ばしい。ちょっと熱め。湯船自体は41度くらい。

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白隠禅師の足心入浴法には続きがあり、石の上で膝立ちになり手を腰に当て、上半身をゆっくり左右に動かし、スネにある三里の名穴を刺激せよと。これは、やってみなかった。

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浅い部分の先には打たせ湯がある。こちらも源泉と書いてあるので、手で受けて飲んでみる。観音様のよりぬるい。この辺りは41度割れ。アルカリ泉のぬるぬる感はあまりなく、ねっとりした浴感。

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ここ上流の浅河原では、山椒魚のように手のツボを刺激しながら前へ進むと良い効果があると、白隠禅師。さすがにそれは‥。
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川の流れを再現した湯の流れがそれなりに強くて、端の方では足元すくわれる、まではいかないまでも、かなりの水流。
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分析書は加温循環消毒ありになってたけど、かけ流しと謳っているので、循環と併用ってことかな。実際、飲んでもいい源泉が注がれていて、かけ流されてる。消毒臭は分からないほど。★2つだけど、実際は3つの快適さがある。

朝の大浴場が思いのほか良くて、誰もいない中自然光を浴びながらゆっくりできた。

 

二日市温泉 大丸別荘

★★

アルカリ性単純硫黄温泉

48.3度

pH 8.8

内湯(男1女1) 家族湯2(大正亭専用)

加水なし 加温循環消毒あり

2020.3.28 宿泊