温泉手帖♨︎

温泉ソムリエの温泉備忘録

松江しんじ湖温泉 皆美館(島根)

「日本の夕陽百選」のひとつ宍道湖の北側湖畔に面した温泉地 松江しんじ湖温泉は、昭和46年に掘削により開湯した1日に302tの湯が豊富に湧き出す温泉地。

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米子空港から車で40分ほどの松江の中心地、宍道湖沿いに8軒の温泉旅館がある。

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130年の歴史と伝統のある皆美館は、食酢の醸造販売をしていた皆美家が、明治21年に湖水や山並の絶景を活かした旅籠を開いたのがはじまり。

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自慢の枯山水式の湖畔庭園は、樹齢300年の松など見事な名木が織り成す名園で、宍道湖を借景とした白砂青松の庭園が美しい。

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皇族をはじめ、芥川龍之介川端康成志賀直哉など多くの著名な文化人、政財界人、芸術家が訪れる風情ある老舗旅館。

与謝野晶子夫妻も訪れ、歌を残してる。

松江びと 古きならひに したがひて よべる末次 本町のやど

老舗旅館のアプローチ。従業員の方の教育も行き届いていて、さすがの接客だった。

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温泉は2階にある湯殿。エレベーター前で「大浴場はここから行けばいいのですか?」と尋ねたら「小浴場でございます(笑)」と。

それもそのはず。全14室のうち8室は展望温泉風呂付き。湯に浸かりながら宍道湖の絶景を堪能できる部屋もある。展望ではないが温泉が付いている部屋もあり、この2階の湯殿にわざわざ来なくていいみたい。

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でも、わざわざ行くよ。 

さて、皆美館の小浴場、脱衣所も浴室も掃除が行き届いていてとても清潔。

こじんまりした雰囲気のいい浴室。向かいの障子窓は開かないようになってる。

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シャワーは両脇にひとつずつ。途中、1人入ってきたけど、それくらいなのであまり不便はなさそう。
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飲泉不可の注意書き。ここの温泉地は、源泉を各旅館に引湯してるみたいだから、循環、消毒あり。
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無色透明、無味無臭、とは残念ながらならない、無味消毒臭。湯口にはカルシウム成分が析出化してる。湯温は42.5度。どうせ調整しちゃうなら、もう少しぬるくすればいいのに。
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脱衣所には、バスタオルの備え付けあり。桑茶が丁寧に一杯ずつ入れてある。
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小さいけれどとても気持ちのいい小浴場。
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カルシウムイオンを含むし、硫酸塩泉なのでじっとりした浴感。

今回泊まった部屋は別邸 美文の水の彩という部屋で、展望露天風呂付き、といっても宍道湖はちらっとしか見えない庭ビューな部屋。

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障子窓も窓も開けられる。
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部屋の温泉も小浴場と同じく循環だけど、湯口から出るお湯は源泉そのまま。

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庭の先に宍道湖が少しだけ見える。f:id:ayumu27:20190716152429j:image

あいにくの梅雨空で、庭にも降りないし、テラスで優雅に休憩もしなかった。
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小浴場が夜は11時まで、朝は6時からしか利用できないので、温泉付きの部屋にしたけど、循環消毒されてるお湯なので私は入らず。
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朝食には松平不味公の好んだ皆美家伝「鯛めし」。

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自分で具をよそい、お出汁をかけていただく。鯛茶漬けなのね。具は鯛のそぼろに玉子の白身と黄身、おろし大根と海苔におねぎと山葵。
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「ミナミの鯛めし」って耳にしてた鯛めし、実際に体験できてよかった。あ、写真奥のサーモン西京漬けが最強に美味しかった。

それから、初めて出会った天然の十六島(うっぷるい)海苔。夕飯では餡掛けの中に、朝食では佃煮で。

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出雲市の北端、日本海に突き出す十六島鼻と呼ばれる岬周辺でしか採れない十六島海苔は、冬の短い期間に荒れ狂う日本海の足場の悪い岩場で「シマゴ」と呼ばれる人達が一枚一枚手で摘み取る貴重な海苔。

肉厚で風味がよくて海苔って呼ぶのが勿体ないような海苔だった。早速購入。皆美館に泊まって、うっぷるいを知れて良かった。

珈琲館まで歩いて1分、松江城までも15分足らずで歩ける。松江散策に最高の立地に、申し分ないおもてなしの宿。

 

松江しんじ湖温泉 皆美館

ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉

69.7度

pH 8.1

209ℓ/分

内湯(男1女1)

加温なし 加水循環消毒あり

2019.7.13 宿泊