温泉手帖♨︎

温泉ソムリエの温泉備忘録

霧島湯之谷温泉 湯之谷山荘(鹿児島)

鹿児島県霧島の地獄帯下流、湯之谷川の秘湯。湯之谷川で唯一の源泉を守る湯之谷山荘は昭和15年開業の湯治場。

江戸時代からこの場所に自噴する湯を使っていたことから、通常は開発が許されない国立公園内に宿があるらしい。

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鹿児島空港から車で30分。霧島温泉はほんとにアクセスしやすくていい。
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湯之谷山荘は自然湧出の源泉5本を自家所有していて、総湧出量は毎分480ℓ。

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浴室へは玄関正面の階段を上がった2階の出入口から。
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手前に男湯、隣が女湯。奥が貸切露天風呂の入口。
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貸切露天風呂は、宿泊者は30分無料。帳場のホワイトボードの時間枠に部屋番号を書いてもらい『貸切中』の木札を受け取り、出入口にかけて入る仕組み。

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外履きに履き替えて、露天風呂へ。
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夜は気付かなかったけど、天狗の首がある。気付かなくて良かった。
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だから「天狗の湯」。
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夜は真っ暗で天狗も見えなかったけど、朝は清々しくて気持ちよかった。
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見事な岩組み。底石も湯船と同様の一枚岩。

綺麗なコバルトブルーの乳白色。

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白い湯の花がたくさん舞ってる。
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それほど硫黄の匂いはきつくなく、ほんわか心地いい香り。
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白い硫黄成分が溜まってる。湯温は42度弱。この季節だからちょうどいいけど、10分も浸かっていると顔から汗が出てくる。

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岩の上で脱ぎ着するので、足が冷たい。

いいお湯だけど、露天風呂はもはやおまけでしかない。いそいそとメインの内風呂へ。

廊下に色々掲示されてる。硫黄泉と炭酸泉(ラムネ泉)について、など。

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ここは硫黄泉の他にもう一つ二酸化炭酸泉の源泉があり、2つの泉質を楽しめる。

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ドアを開けるとすぐに脱衣所。ドアを開けると廊下から丸見え。

脱衣所と浴室の間にドアはない。
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ひょいっと覗いた瞬間、もうワクワクが止まらなくなった。昔ながらの総木造りの湯小屋。檜と赤松で作られている。硫黄に混ざって檜の香りがふんわり。
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3つの湯船が並んでる。それぞれ大きさ、湯温、泉質が違う。
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壁には貼り紙。

奥から、向かって左が『硫黄泉』あつい浴槽、真ん中が『混合泉』硫黄泉と微炭酸泉、右が『微炭酸泉』ぬるい浴槽、と記載されてる。
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で、お好みの浴槽をご利用くださいと。

熱い湯船の硫黄泉はpH5.7の弱酸性。

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ものすごい勢いで投入されてる。ほんとに熱い。44度超え。

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一度だけ湯口に飲みに行くために湯船に入ったけど、熱くてやけどしそうなほど。急いで真ん中の湯船に戻った。何分も入っている人たちすごい。

硫黄泉は酸味というか苦みというか、今まで飲んだ香ばしくてごくごくいける硫黄泉じゃなかった。

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両脇の湯船から温度の違う湯が流れ込む真ん中の湯船は、39度弱の超絶気持ちいいぬる湯。

浅めの寝湯なので、体操座りすると湯から膝が出る。

熱い硫黄泉はここから流れ込んでくる仕組み。
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反対側、ぬるい微炭酸泉の湯船とは、こんな風に繋がってる。同じようにここから冷たい湯が入ってくる。
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一番小さな湯船は微炭酸泉で29度。

自然湧出の絶対的な湯量に合わせて造られている湯船はそれほど大きくない。というか小さい。でも混雑時にはおばちゃんとお婆ちゃん2人で入ってた。
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こちらも、ものすごい投入量。甘くて美味しい。クセがなく、ごくごくいける。

硫黄泉よりは透明感がある。泡付きある硫黄のラムネ泉は珍しいと色んなところに書いてあった。
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大きめの白い消しカスみたいな湯の花がたくさん舞ってる。
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ずっと真ん中の混合泉にいて、湯温測ったり、泡付き見たりするために両側の湯船に手を入れる。

微炭酸泉はしっかり泡付きがある。面白いくらい泡が付く。でも冷たい。ちょっと入る気になれない。f:id:ayumu27:20190118233018j:image

真ん中のぬる湯が気持ち良すぎる。

熱い湯に誰かが入れば、熱い湯がざーっと押し寄せてきて湯温がぐっと上がり、すぐに41度くらいになる。

また、ぬるい湯に誰かが入れば、冷たい湯がすーっと入ってきて、すぐに38度前後になる。

ちょっと温もりが欲しくなったら、熱い湯の方へ寄り、熱いと思えばぬるい湯が入ってくるところへ寄る。

なんて極楽。

長く入り過ぎて、指がしわしわ。もう出なきゃもう出なきゃと思っても、気持ち良すぎて出られない。

ざらざらきゅっきゅとした硫黄泉の湯感触だけど、泡付きがすごいので肌についた泡がふわつるとなめらかに滑る。肌から離れた泡が身体の他の部分にさわさわと当たるくすぐったさがたまらない。

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湯治場にはめずらしく、シャワーがある。シャンプーなどの備え付けはない。もちろん24時間入浴できる。

湯上がりの肌が軽くてふわふわだった。初めての感覚。硫黄が古い角質を溶かすから⁈弱酸性だから⁈保湿成分のメタケイ素がたくさんだから⁈長湯しすぎて指がしわしわだったから⁈

翌朝もつやすべだった。

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分析書は2本の硫黄泉の混合泉のもの。湧出量は毎分140ℓとある。ということは、他の3本で毎分300ℓの湧出量?二酸化炭酸泉の分析書はない。

帳場で4代目のご主人に温泉分析書見せてもらえるか聞いてみたら「社長が持っていて、今出かけてるから」と。

こんなにお湯にこだわっている温泉宿なのに、なんでそこらへん曖昧なんだろう。残念。単純泉で、含二酸化炭素とまでならないからなのかなぁとか思ってしまう。すっごいいいお湯なのにもったいない。とはいえ、分析書なくてもいいやと思うほどの素晴らしいお湯と湯船の造り。

 

霧島湯之谷温泉 湯之谷山荘

★★★★★

単純硫黄泉

44.1度

pH 5.3

140ℓ/分

内湯(男1女1) 露天風呂1(貸切)

加温加水循環消毒なし

2019.1.12宿泊