温泉手帖♨︎

温泉ソムリエの温泉備忘録

花山温泉 薬師の湯(和歌山)

関西最強温泉と言われている炭酸泉 花山温泉

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新大阪から特急くろしおで1時間の和歌山駅。駅からはタクシーで10分ほど。時間が合えば宿の送迎もある。

今回は勝浦から紀伊半島を半周北上して向かったので、特急で3時間。

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創業昭和43年。

50年入り続けてるという85歳のおばあさんが同じ湯船にいて、背中曲がってないでしょと何度も立ち上がっていろんな人に見せてた。

霊泉と呼ばれる温泉。

ここ、宿泊施設というよりも日帰り入浴施設で(1100円、夕方5時からは850円)、観光客から地元の方、湯治の方でごった返している。

脱衣所も各浴槽もすっごいたくさんの人がいる。道後温泉本館並みの人混み。

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女将さんにお願いして、23時の終了後、湯を抜く前に写真を撮らせてもらった。毎日完全換水清掃を行っている。大変だろうけど、ものすごいたくさんの人が入浴しているし、循環消毒してないから必須。23時まで入らせてくれるだけ有難い。

脱衣所から大浴場に入ると右手にシャワー。左手にサウナ。

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お湯自慢の温泉だから、サウナとかあるのがすごく意外。『日本でも最も濃い温泉のひとつ』なんだよ!お湯だけで充分なのに

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サウナの向こうに水風呂、打たせ湯、寝湯。これらは沸かし湯。手をつけもしなかった。

お目当ての茶褐色の天然二酸化炭素を多く含む炭酸泉の湯船が1番奥に。

湧出時は無色透明だけど、鉄分が多いため、空気に触れると茶褐色に変わる。

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右側の小さめなのが26度の源泉浴槽。掛け流し。濁っていて見えないけど中には縁の部分だけ段があり、座ることが出来る。

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左側が41.5度の加温浴槽。広め。

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温浴槽の上に37度の低温浴槽がある。

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温浴槽を突っ切り階段を上がると扉の向こうが露天風呂。39度。

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いい湯温。虫とか葉っぱとかない、気持ちいい露天風呂。時計も助かる。
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床はつるりとしたなめらかな析出物。
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入浴法として交互浴を勧めているからか、みなさん律儀に内湯の加温浴槽と源泉浴槽を行ったり来たり。狭めの26度源泉浴槽は常に大賑わいでぎゅうぎゅう。

新陳代謝をUPさせ自己治癒力を高めるために温冷入浴を勧めている。炭酸泉で温冷入浴できるのが花山温泉の特徴。

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加温と源泉浴槽の湯は、こんなにも違う。

源泉浴槽の湯口はこんな。

2つのパイプからすごい勢いで湯が投入されている。みなさんこのパイプから直接顔を洗ったり、湯を飲んだりしてた。湯というか、冷たいけど。

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加温や低温でしっかり温まってからだと、26度の源泉もなかなか平気。浴槽がぎゅうぎゅうな状態だから、つまり、みなさん平気でここに入ってる。老若問わず。

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掛け流されていく排出口はこれ。

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床もすごいことになってるけど、痛くないから大丈夫。

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これは加温浴槽と源泉浴槽にかかっている手すり。がさがさで当たると痛い析出物もあるけど、ここのはつるっつるで気持ちいい箇所が多い。

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温浴槽の中に、おそらく元は手すりだっただろう可愛らしい物体が2つ。
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夕方の人混みピーク時にはこの手すり周りにも人がうじゃうじゃ。

温浴槽から加温浴槽にお湯が流れていく部分の析出物がすごい。
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もはや芸術。うっとりする。

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これは低温浴槽。浴室上部の壁のタイルが写り込んでしまったけど、浴槽の中は鱗みたいな茶色のぶつぶつが湯底まで一面に広がってる。
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温浴槽が37度で超気持ちよくて、ずっと居た。比較的空いてる浴槽。まるまる2時間以上微睡んでた。ここまで長くひとつのとこに入り続けたの初めてかも。

泡付きはほとんどないけど、ほんとに気持ちいい。

ざらりとした湯感触。湯の中で肌を触るときゅっきゅと軋む。鉄の香りは意外に弱めで、目に当たると危険なほどしみる。顔洗ってる人がこわい。

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温浴槽の横を通る透明のパイプがあって、源泉が独特の勢いで投入されている。

廊下にも自噴している様子が分かるように透明のパイプを見せてる。

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しゅぽー!しゅぽー!と音を立てて噴射されてる感じ。

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地下500mから炭酸ガスの圧力のみで温泉が自噴してる。遊離二酸化炭素炭酸ガス)が成分中に2631mgも含まれている。あの長湯温泉のラムネ温泉館で1380mg、八甲田温泉のラムネの湯で958mgだから、どれほどすごい含有量か想像できる。

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また、カルシウムとマグネシウムの含有量が多く、神経を和らげる作用と殺菌作用がある。

水面に油のように浮いている湯の花はカルシウム。朝一は、水面一面にカルシウムの膜が張る。北海道長万部の二股ラジウム温泉と同じ。いや、二股ラジウム温泉のあのシャリシャリには全くかなわないけど。

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これが毎日繰り返され湯船の縁に堆積し、立派な析出物が出来上がる。

入浴時間は6時から23時。朝の6時から8時は宿泊者専用。湯の花の膜を見るために6時前からみなさんスタンバイ。5分前にはすでに何人も入ってた。

湯の花よりも何よりも!朝の37度低温浴槽、ものすごい泡付きだった。行ってよかった。入ってよかった。これぞ二酸化炭素泉という泡付きだった。時間で変わるのか、湯が荒れてないからなのか。

炭酸ガスは皮膚から吸収されやすいので、体内に多く取り入れると体はより多くの酸素を取り入れようと血管を広げ、血圧が下がり血行が良くなる。血流を約5~7倍に増加させるらしい。血行促進で疲労回復も。潤い肌をつくるアストリンゼン効果でお肌を引き締める効果もある。

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とはいえ2時間半も浸かっていたら、手がしわしわで爪が黒くなった。

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飲泉もできる。廊下にある飲泉場。

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でも、飲めない。増富ラジウム温泉の不老閣の源泉のように、クセがありすぎてキツすぎて飲めない。口に当たってしまったのを思わず舐めただけでも、苦くてゔぅっとなる。
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実はこの温泉、起源を遡ると西暦803年平安時代行基菩薩の法力の湯として名高く、歴代の天皇が熊野行幸の折は必ず入湯のため御逗留されたと伝えられている。地質の変化から自然噴出が止まっていたのを、昭和40年にボーリングを実施したら地下501mで突然湧出したそう。

これほどのお湯で、このアクセスなら、みんな挙ってやって来るよね。納得の混雑。宿泊して朝6時から8時までゆっくり堪能すべし。関西最強の炭酸泉。

 

花山温泉 薬師の湯

★★★★★

二酸化炭素・鉄(Ⅱ、Ⅲ)-カルシウム・マグネシウム-塩化物泉

25.2度

pH 6.3

128ℓ/分

男女別 内湯 露天風呂

加水加温循環消毒なし

2018.9.16宿泊