小諸市の北、浅間山の西に連なる標高2000mの高峰山の懐に佇む秘湯の一軒宿。 窓を開けるとひんやりとした風が流れ込んでくる。窓は閉めて布団をかけて過ごす。 真夏でも25度を超えることがないそう。
北陸新幹線の佐久平駅から高峰高原行きのバスで70分。冬場はアサマ2000スキー場までしか通行出来ないため、宿の雪上車で送迎してもらう。
ランプの宿というけど、実際に灯油ランプを使っていたのは昭和40年代の初め頃まで。自家発電が出来るようになって豆球になったそう。
偶然、先週本当の青荷温泉 ランプの宿 青荷温泉(青森) - 温泉手帖♨︎(コンセントさえない)に行ってしまったので、ランプ感は全くない。
午後のバスで到着するとすぐ「露天風呂混まないうちにどうぞ」と教えられた。
名物の野天風呂へ行くには1階の廊下の奥の扉から。
男女別で各4名限定。靴を履き替えるところに脱衣籠が男女各4つずつあり、それを持って野天風呂へ行く。籠がなければ、そこで籠が戻ってくるのを待つ、待合室みたいになってる。
籠を持って50mくらい上に歩いて行く。道にはランプが。
これが雲の上の野天風呂。実際ほんとに雲が下にある。
ベンチのような木の台が脱衣籠置き場。雨に備えて、ナイロンがついてる。実際、雨が降ったり止んだりだったので、籠はナイロンの下に。
湯温は42度。外気がかなり冷たいので気持ちよく入っていられる。長く浸かっていると、顔にじんわり汗を掻く。
源泉35.6度。通年加温してるみたい。ぬる湯だと思ってたので、少し残念。
程よく硫黄の香る、青みがかった乳白色の濁り湯。
手前が浅く、奥半分は深くなってる。
真綿のような湯の花が舞ってる。濃いカルシウム成分が沈殿してる。
加温だけど泡付きがあり、泡でぬるつるする湯触り。
野天風呂のランプは雰囲気がある。夜は8時まで。朝は6時から。
少し風が吹いて、霧が晴れると山々が見えるけど
一瞬にして靄る。チェックイン直後は向こうの山まで見えてた。
朝の雲海も綺麗だった。
内湯は1階と2階の2つ。
1階の玄関奥にあるランプの湯。
35度ちょっとの源泉浴槽と、42度弱の加温浴槽がある。加温浴槽は循環濾過あり。消毒液は不使用。
源泉浴槽はかなりの泡付きがあり、細かい泡がぬるつるの肌触り。泡を払うとぬるぬるできゅっきゅとした浴感。湯上りの肌はねっとりじっとり、乾くとするっする。
広い浴場ではないけど、外も見えて解放的。
35度の源泉浴槽、不感温度と言うけど、さすがに体温より低いので冷たく寒く感じる。でもすぐに、身体の温かさを感じ、そのうちぽかぽかしてくる。
気持ちよくていくらでも入っていられる。
浴槽は木で、洗い場の床は石作り。色が変わり
湯船の淵の析出物はこってり。
源泉浴槽と加温浴槽とを冷温交互浴すれば、皮膚からの浸透と血流の改善で相乗効果があり、自律神経を整えたり、痛みを緩和してくれる。
カルシウム-硫酸塩泉は、皮膚細胞を再生し肌の弾力を回復し引き締める効果があるし、硫黄泉は古い角質を軟化し溶解したりメラニンの生成を抑えるので、美肌の湯。
次に2階の展望風呂へ。
展望風呂は41度弱と38度弱。仕切り板に小さな穴が開けてあり、湯が行き来するため、源泉浴槽が少し温まるしくみ。
なめらかでつるつる。
どの浴槽でも飲用できる。飲みやすい硫黄泉。
展望風呂を出たところのスペースには、望遠鏡や本、体重計や血圧計など。飲泉場もここにある。血液をさらさらにし、血圧を下げたり、痛みの緩和、新陳代謝の促進に効果がある。
環境と健康を考えた宿づくりをしていて、洗剤を無くし、水だけで汚れを落とせる創生水を使用している。シャンプーや石鹸はない。
硫黄にあまり強くないので、温泉水以外の水があるのは助かる。美肌の湯だけど、角質を溶かしたり皮脂分泌を抑制したりしてるので、湯上りには絶対に保湿が必要。
1階の暖炉では、自分でミニ五平餅を焼いて食べられる。蕎麦茶も一緒に。
★★★★★
含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
35.6度
pH 7.0
175ℓ/分
内湯2 露天風呂1 各男女
加温加水循環消毒なし(加温浴槽は加温循環あり)
2018.9.1宿泊