温泉手帖♨︎

温泉ソムリエの温泉備忘録

駒の湯温泉 駒の湯山荘(新潟)

湯之谷温泉郷にあるランプの宿 駒の湯山荘は昭和28年開業の一軒宿。以前は日本秘湯を守る会だったけど今は違う。看板には会員『でした』と貼紙があり、ご主人の実直さが現れているよう。

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遡ること300年ちょっと、1700年頃の銀山最盛期、銀山平と小出の中間にある休憩地点のここに湧き出していた湯で、運搬の疲れを癒したのが駒の湯の始まり。
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東京から上越新幹線で1時間半の浦佐駅で、上越線に乗り換えて8分の小出駅。そこからバスで25分の大湯温泉で下車すると宿から車で迎えに来てくれる。(要予約)

13時からチェックインできる有り難い。1日目の昼から温泉三昧!12時47分にバス停に迎えに来てもらった。

大湯温泉からはさらに細い山道を10分弱ほど進み、ぐっと秘湯感が出てくる。営業は11月上旬までで冬季は閉鎖。春は4月下旬から。

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エアコンやテレビなどは一切なくあるのは囲炉裏とランプだけ。館内は自家発電で、昔ながらのランプの中に豆電球を入れた照明と、石油ランプで過ごす夜。

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携帯はもちろん圏外。宿の電話は衛星電話。

真夏のぬる湯リストの一湯。今日は真夏日魚沼市の最高気温36度予想だった。この山の中も31度以上あるので、ぬる湯が気持ちいいに決まってる。いい日に来たな。

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まずは、渡り廊下にある引き戸を開け、階段を降りたところに、この緑の看板にあるように4つのお風呂がある。

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わけではなく、正確には、というか分かりやすくいうと、貸切露天風呂が2つ、内湯が2つ(混浴と女湯)、それから混浴の渓流露天風呂がある。
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まずは正面にある外履きに履き替えて右手のドアから外へ。
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至るところから湯が流れ出てる。
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石段を降りていき、混浴の渓流露天風呂へ向かう。あ、渡り廊下のところに、女性用の赤い湯浴み着が用意されているので、必要であれば持って出る。
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所々にランプ。渓流露天風呂も夜中じゅう入れる。全ての湯船が13時から翌朝の10時まで入れる。なんとも極楽。
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湯船はどれも二つずつあって、大きな方が源泉かけ流しで、小さい方は加温した温泉。

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加温湯船にはカランが付いていて、利用者が自由にお湯を出し入れできる。源泉は33度とかなりのぬる湯なので、加温湯と交互浴してくださいとのこと。
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渓流の目の前の露天風呂。右手に脱衣小屋がある。男女分かれてはなかったと思う。
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あまりの日差しの強さで、ちょっと入るのは無理。恐ろしい暑さ。裸足でコンクリートを歩くのも危険を感じる。
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川が目の前。虻がめっちゃいるのかと覚悟して降りてきたけど、一匹も出会わなかった。けど、さすがに裸で入ってたら飛んでくるよね。
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ここの温泉今まで見たことない、多分一番の湯量で、毎分2000ℓもの大量の温泉が川のように各湯船にかけ流されている。驚異の湯量。

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どばどばと川にかけ流されている。
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日に当たるからか薄いブルーっぽく見える。硫黄を含むアルカリ泉。

湯川内温泉 かじか荘(鹿児島) - 温泉手帖♨︎や、白木川内温泉 旭屋旅館(鹿児島) - 温泉手帖♨︎のサファイヤブルーと同じ綺麗な色。
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湯面の波で、どれだけの湯が投入されてるか想像がつく。湯船の縁からどんどん溢れていってる。気持ち良さそう。

渓流沿いの真夏のぬるいプール。日焼け恐れない人にはたまらない極楽だろう。
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渓流露天風呂からの帰り道に見上げたこの建物が、あとで入る貸切露天風呂。
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さて、汗だくで屋内まで戻りスリッパに履き替えて、今度は左手側にある引き戸を開けると内湯が二つ並んでる。手前が女湯で奥が混浴。混浴へ行く女性は、女湯の脱衣所からも行けるように中が繋がってる。
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女湯の脱衣所と浴室の間にランプ。夜もこれしか灯りはない。

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小さな加温湯船と源泉かけ流し湯船。すんごい暑い日だったので、私は一度も加温湯に入らなかったけど、32.9度は夏以外は辛い。加温湯との交互浴は必須かと。

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無色透明の湯で、細かい気泡と湯の花が舞ってる。白濁して見えるほどの大量の気泡。

スマホじゃ写らないけど、細かい大量の気泡が勢いよく流れていて、どんどん肌に付いてくる。ぬる湯の泡泡すごいわ。

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内湯にはシャワーが一つ。シャンプーやボディーソープもあった。

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お隣にある混浴の内湯。広さはそれほど変わらない。
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右手前に湯口。
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はい。勢いよく源泉が投入されてます。
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内湯は朝ごはん終わってからだと、窓越しの日差しが強すぎて、きつかった。
内湯の通路の先のドアを出ると、貸切露天風呂が二つある。二階建てみたいなイメージで、一つは石段を降りた先に扉がある。

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出入口の看板を裏返して入浴中にし、中から鍵をかけて入るしくみ。
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まずはこの階にある上側の方に入ってみる。
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下から見上げたテラスがこれだ。眩しいほどの緑。
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広い脱衣所というか、湯上がり処というか、テラス?が独り占めの貸切露天風呂。真下には佐梨川。

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この大きなテラスの奥に露天風呂。上には葦簀があるので、露天ではないけど、これぐらいの方が絶対にいい。
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湯船は他と同じく二つ。脱衣籠には虫がたくさん亡くなっていたので、逆さまにして払ってから、湯船のすぐそばまで持ってきて、こちら側で脱ぎ着。
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加温湯船はほとんど湯が入ってなかった。自分も使わないので触らず。
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湯温は32.6度。気持ちいい!汗だくだった身体にちょうどいい。硫黄の匂いが結構する。

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ざっばざっば新しいお湯。しぶきがまた気持ちいい。

すぐに身体に泡がつき、ふわふわの手触り。かなりの泡付きで、自分から離れていく泡がくすぐったい。
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湯船にはアルカリ泉らしい、白いふわふわの湯の花が岩に付いてたり、たまに舞ってたり。

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お湯は湯口の反対側から、きっと川の方にかけ流されてる。
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どばどばと音を立てて注がれる大量の温泉と、ゴーゴーとかけ流されていく湯と川の激しい流れの音。周りは緑しかなくて、他には何の音もなくて、身体が少しずつ冷えていく。うぅ〜気持ちいい。
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階段を降りた扉の向こうにあるもう一つの貸切露天風呂。

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こちらも緑。川に近く、天井はあるけど囲いがない露天風呂。虻の危険がある。

加温湯船はどれも本当に小さい。
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源泉湯船にはこちらもすごい量の湯が注がれ
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川のようにかけ流されている。これ、湯船じゃなくて、縁から流れ出てるお湯。
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私は入る勇気がないけど、こちらの方が緑の景色も川も近い、眺望の素晴らしい露天風呂。
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もう充分過ぎる気もするけど、あと一つ露天風呂があって、実はそこが一番良かった。
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最後の一つの露天風呂は玄関を出て、奥にある建物の中。右の出入口が混浴(男性)で左正面の赤い暖簾が女湯。

日帰り入浴はこの湯船だけみたい。

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まずは混浴側の露天風呂。
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広い脱衣スペース。シャワーも一つ完備。シャンプーなどもある。
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間欠泉のように湯口から吹き出す温泉。あまりの湯量で、排水が間に合ってない。湯船の外に溢れるお湯。
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2本の源泉で毎分2120ℓ。2tて‥。それがどばどばと注がれ、ゴーゴーとかけ流されている。
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圧巻‥。
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左側には加温湯船。

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この混浴露天風呂へは女湯の脱衣所からも出入りできる。
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左の木のドアの方は女湯の浴室。右の暖簾付きが混浴露天風呂への出入口。
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小さな脱衣所には9個の脱衣棚があるけど、この女湯の湯船、2人しか入れないと思う。
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ほら。

何回かのぞいてみて、1人先客がいるだけで、遠慮しとこうと出直すほどの狭さ。

2人で入ってた時間に、さらに1人入って来た時は、え⁈入ってくるの⁈どうやってどこに入るの⁈と‥。いや、無理でしょと、その人がシャワー浴びてる間に私は出ましたよ。
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だってこんな勢いよく湯が噴射されてて、湯船の洗い場側には石段があって、どこに3人入るのー⁈
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一度部屋に戻り休憩。

日当たりの良過ぎる角部屋で、ふと見た湯温計が37度を指してる。こわい。暑過ぎる。ここに居ては死ぬかもと、また温泉へ駆け込む。

32度のお湯最高。身体がいい具合に冷える。冷えるんだけど、さすがは温泉。身体の中はじんわりと暖かい。

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噴射の途中からだった。

そう、こんな狭い湯船にこんな勢いでこんな量のお湯が投入されて、最高過ぎる。

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湯口のすぐ左横に排湯口があるけど、全く間に合ってなくて、湯船の縁の向こう側にはお湯が溜まりっぱなし。
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この勢いで逆側の縁からも溢れ続けてる。

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湯船の中の岩にはぬるりとした白い湯の花がたくさん付いてる。

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この女湯、虻避けなのか、年中そうなのか分からないけど、外との境に網を張ってくれてるから虫がいない!外の空気は感じるけど虫がいない!最高の湯船が出来上がってる。
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もう、1人だと湯口の噴射を真正面から浴びちゃうこともできて、極楽。このまま飲んじゃう。芳ばしい美味しい硫黄泉。

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アルカリ泉のぬるつる浴感。湯上がりの肌はぷるんとして、すべすべ。かなり最強の美肌の湯。

調査したら化粧水の成分だと判り、化粧水作っちゃったの分かる。

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この夏入ったぬる湯で35度以下の源泉は、微温湯温泉 旅館 二階堂(福島) - 温泉手帖♨︎の31.8度、佐野川温泉 佐野川温泉旅館(山梨) - 温泉手帖♨︎の30.9度。ここ駒の湯が32.6度。どれもよかった。ほんとに夏の暑い日のぬる湯は最高だな。

 

駒の湯温泉  駒の湯山荘

★★★★★

アルカリ性単純泉

32.5度・31.5度

pH 8.6

320ℓ・1800ℓ/分

内湯2(混浴、女湯) 露天風呂2(混浴、女湯) 貸切露天風呂2 混浴渓流露天風呂1

加温加水循環消毒なし

2019.9.7 宿泊

錦帯橋温泉 岩国国際観光ホテル(山口)

岩国錦帯橋空港から車で15分、岩国駅からは10分。名勝 錦帯橋のたもとに建つ岩国国際観光ホテル。

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錦川沿いの部屋からは岩国城錦帯橋も目の前に見える。

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翌朝はしとしと雨。錦帯橋岩国城も朝霧に包まれ、しっとり。
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この錦帯橋の、平成の架け替えで出た解体材で復元した通路がホテル内にある温泉小径。実際の架け替え工事をした棟梁に依頼して仕上げたという、一橋の錦帯橋を渡って大浴場へ行く。

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日本三大名橋の錦帯橋岩国城を一望できる絶景の湯 「 いつつばしの里 」は岩国唯一の温泉。

案内板の『露天風呂はこちらです。』の文言が引っかかって、え?大浴場ではないの⁈と思いつつ、案内に従い結構な距離を歩く。

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涼み処を挟み、錦帯橋を望む「朝霧の湯」と岩国城を望める「夕霧の湯」の二つの大浴場がある。朝夕で男女入替制なので、両方の眺望を楽しめる。入浴時間は24時まで。入れ替え後、朝6時から9時まで。

バスタオルとフェイスタオルは大浴場入り口で手渡ししてもらえる。いいね〜。

まずは檜の露天風呂につかりながら、岩国城を一望できる「 夕霧の湯 」へ。

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檜が使われているのは縁だけで、あまり香らない。消毒臭はする。無色透明無味のお湯。循環だから飲んではだめ。飲料水ではありません、との注意書きもある。

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でも、この眺望。目の前に岩国城
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夜になるとライトアップされ、対岸の山の頂に浮かぶ岩国城。天空の城のような絶景を眺めることができる。

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これは部屋から撮った写真だけど。

露天風呂は二つあり、もう一つは立ったままお湯に浸かれる歩行湯。

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真ん中の石を囲む部分は腰骨くらいの深さで、奥の一部は胸までの深さ。周りに手すりがある。

どちらの湯船も41.5度前後の湯温。
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大浴場を囲むように外のエリアがあり、露天風呂が両端にある。出入口は両端にあり、奥から出れば檜の露天風呂、手前から出れば歩行湯船。
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内湯には寝湯が二つ。湯温は41.5度くらい。どの湯船も循環消毒あり。
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これだけの大浴場、加水するしかないだろうし、冷泉なので加温もあり。循環濾過、消毒ありと、大型ホテルのありがちな大浴場。ドライサウナに水風呂も完備。

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もう一方の大浴場は、眼下に錦帯橋を眺めながら入浴できる岩風呂がある 「 朝霧の湯 」。

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こちらも大浴場の両端に露天風呂への出入口が二箇所ある。左手のは内湯の中を歩いて横切る出入口。
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露天風呂からは立つと錦帯橋が見える。湯船は二つ。
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これ、翌日岩国の商店街でお昼ご飯を食べたお店に貼ってあった山口の案内ポスターに載ってた写真。

汗を流せる大浴場が温泉で、この眺望。分かって行ってるのだから、なんの文句もない。錦帯橋に行くなら絶対このホテルがいい。

 

錦帯橋温泉 岩国国際観光ホテル

単純弱放射能鉱泉

19.0度

pH 6.5

内湯2 露天風呂4

加温加水循環消毒あり

2019.8.31 宿泊

貝掛温泉 貝掛温泉(新潟)

江戸時代より「眼の温泉」として知られる貝掛温泉。最近、目の温泉多いな。先月行った福島の微温湯温泉 旅館 二階堂(福島) - 温泉手帖♨︎は含アルミニウム泉で江戸時代からの眼病の名湯。眼病といっても症状は様々で、結膜炎や白内障に効くらしい。「日本三大目の温泉」の神奈川の姥子温泉も同じような泉質。

もう一つのここ貝掛温泉は、メタホウ酸を豊富に含み、白内障や眼底出血、眼精疲労などに効果があるという。

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明治には「快眼水」という名の目薬として製造販売許可も得ていて、平成になってサンテCL目薬とほぼ同じ成分だと判ったという。

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開湯は鎌倉時代で700年の歴史を持ち、文献上では室町時代の長享2年(1488年)京都相国寺の僧の旅文集に「岩の割れ目から湧き出る温泉への道は通じているといえども建物は見えず僅かに道行く人が教えてくれなかったら通り過ぎてしまうところでした」と記されている。

戦国時代には上杉謙信の隠れ湯として、江戸時代には目の湯として、湯治客も多く信仰されてきた温泉。

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東京から上越新幹線で1時間20分の越後湯沢駅からタクシーで20分弱という好アクセス。清津川に架かる細い貝掛橋を渡った先にある一軒宿で、秘湯を守る会の宿。国立公園内の高原に位置し、夏も涼しいためクーラーはなく、真夏の今日も窓から入る風が涼し過ぎるほど。

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庄屋造りの建物、玄関には米俵。さすが米どころ。南魚沼産のコシヒカリ

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廊下にもお米が干してあった。

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ウェルカムドリンクはメグスリノキの水。ほんのり苦味がある。もうすでに目の温泉が始まってる。
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古い木材を用いた造りで、掃除が行き届いた綺麗な宿内。古くてぴかぴかの宿、好感が持てる。

大浴場へ続く廊下にはメグスリノキのお茶が大きなヤカンで置いてあり、湯上がりに飲める。

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大浴場は廊下を左へ右へ行った先に。上から見たあの奥の建物。

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奥までやって来て暖簾をくぐると、左右に二つの大浴場。19時までは右が女湯。19時半から朝の9時半までは男女が入れ替わる。19時から30分間は交換清掃時間。
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左側の大浴場の方に大きな源泉かけ流し露天風呂がある。右側の大浴場の露天風呂は加温湯船。
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とりあえず、19時まで女湯の右側の大浴場へ。広くて綺麗な脱衣所。

内湯には二つの湯船があり、大きな方が源泉かけ流し、小さい方が加温湯船。
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高い天井に、太い梁が渡された大浴場。暗めなんだけど、自然の光が入ってくる落ち着く静かな空間。

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シャワーは5つ。アメニティーは揃ってる。清潔で不快なところがない。女性客かなり多くて、5つとも使用中の時も。
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出入口のところにあるかけ湯。湯温から源泉だとは思うけど、こちらの大浴場の目を洗う場所は内湯の源泉湯船の湯口でと言われた。ので、湯上がりにだけかけ湯を利用。
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加温湯船は小さめ。小さいといっても、3人は十分ゆったり入れるくらい。手だけつけたけど、42度ちょい。暖まりに入る人、結構いる。
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深夜0時から4時までは、入浴事故防止のために加温はしてなくて、湯温は源泉温度に下がる。
湯船の縁は赤御影石
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さて、お目当ての源泉湯船。湯温は36度弱のぬる湯だけど全く冷たく感じない。いい季節に来たな。

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大黒様が湯口を守ってる。かなりの勢いで注がれる湯。小さな粒子が無数に舞っている。湯の花じゃなくて、気泡。湯口から離れていても泡がたくさん付く。ものすごい泡付き。ふわふわと気持ち良すぎて、1時間くらいあっという間に過ぎる。

無色透明無臭で、ほんのり、ほんとにほんのり塩気がある
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この湯口で顔や目を洗う。メタホウ酸やリチウムが目に効くといわれていて、ミネラルの濃度が涙の成分に近いそう。

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この檜の枕木がなかなか良くて、置いてあるだけなので、好きな場所で使える仕様。汗をかくようなお湯じゃないので、人が使った後もなんとか目をつぶって使える。
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かけ湯の向こうに山傘。露天風呂に入るとき、雨や雪が降ってたら被る用。

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露天風呂は岩造り。加温されて42度ちょいの湯温。残念だな。早く男女入れ替えして、源泉かけ流しの露天風呂の方に入りたい。
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ざばざばと湯が投入されて、水しぶきをあげてる。
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自然湧出の一本の源泉を一軒で使用していて、湯量は季節で変わるようだけど、全国屈指の毎分400〜650ℓとか。湯船は毎日完全換水清掃で、新鮮なお湯を楽しめる。

豊富な湯量があってこその、この源泉かけ流し露天風呂。これこれ。こちらがもう一つの大浴場の露天風呂。

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19時半から一晩中、翌朝の9時半までが女湯になる左側の大浴場。

貝掛温泉の代名詞ともいえる岩造りの大きな露天風呂は、緑の木々に囲まれた自然の中にある。

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露天風呂の側にある小屋の中に、自噴の源泉が湧いてる。

湯口は、大黒様の下の岩の間と、木の樋の二箇所。あれ。これ大黒様だと思い込んでたけど、大黒様であってるのかな。

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かなりの量が勢いよく注がれていて、水流がすごい。
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湯口近くは泡付きを楽しめないほどの水流。

広い湯船なので、湯口から離れれば静かなんだけど、やっぱり新鮮な湯がざーざー出てくるところが気持ちよくて、中央の石を囲むように人が集まる。
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さすがに源泉の湧出地そのものだけあって、もう一つの大浴場の湯温と比べると0.2〜0.3度高い。

涼しい真夏でちょうどいい、汗もかかない、少し寒くなり加温湯で暖まる人がいるくらいな、36度のぬる湯。いいタイミングで来れたなぁと自画自賛

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こちらの大浴場には露天風呂は二つ。もう一つ小さな加温の湯船がある。
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個人的には、葉っぱや虫にビクビクと怯えながら入っているのは嫌なので、内湯の方がはるかに好き。

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さ、内湯へ。左が源泉かけ流し、右が加温湯船。

左の源泉湯船の向こう側がさっきの露天風呂。源泉に限りなく近いので、36度ちょい。
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室内の分だけ、露天風呂より暖かく感じる。

あぁ。やっぱり内湯は安心して入れる。ふわふわの暖かい布団に戻ってきたよう。

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源泉の湯口には大黒様。
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泡にまみれた肌をさすると、ふわふわの肌触り。ん〜。たまらん。ふわふわ〜。

この泡の炭酸が血行を促進してくれ、老廃物を流し、成分を体に吸収しやすくする。

ただもうそんな効果よりふわふわが気持ちよくて。自然湧出のぬる湯の泡泡恐るべし。

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このままあがると少し寒い。でも加温湯に若干の抵抗がある。これ、無意味な抵抗。36度でもあがればぽかぽかになるの分かってるから、あえて暖まりたくない、みたいな。
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洗い場とかけ湯。もう一つの大浴場とシャワーの数は同じだけど、洗い場の形が湯船から遠くて広いので、ゆったり。向こうは大浴場が長方形だったので、シャワーの水が湯船に入ってきてた。
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山傘が雪の露天風呂を想起させて、冬も来たいなぁと思わせるけど、雪の中36度って絶対に無理だから!だめだめだめ。
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天井も高く、立派な梁。
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こちらの湯船の方が少し狭いからか、湯のかけ流されていく量が多く、湯が滞留してない感じがした。
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泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉だけど、目にしみたりしょっぱくはない。湯から出たところがほんの少しねっとりする塩化物泉っぽさはあったけど、ひりひりとか後で赤くなったりはなく、塩が苦手な私も洗い流さなくていいレベル。

湯上がりの肌はするするすべすべ。

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結局、加温湯には入らず、脱衣所でさむさむってなりながら浴衣着たけど、部屋まで戻るとほんわかぽかぽか。汗もかかずにじんわり暖まる理想的。

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この日の宿泊客は女性率が高くて(もちろん満室)、朝の女湯こんな感じで絶えず15〜20人くらい入ってた。5時に入った時は2人だったので写真撮れたけど、5時半くらいからはすごい人。

帰りにふと男湯の下駄箱のぞいたら、4つしかスリッパなかったよ。

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夕食に出る薬膳玄米粥は、肝臓脾臓に活力を与える食材が目にいいとの貝掛名物。

夜はもちろん窓を開けてたら寒いので、窓を閉めて布団をかけて寝る。

翌朝、夏の暑い盛りのように蝉が大合唱してるけど、部屋には秋のような涼しい風が吹いていて、お風呂上がりに布団に潜り、顔だけ出して風を感じる。あぁ、真夏の極楽。また来夏も来よう。

 

貝掛温泉

★★★★★

ナトリウム・カルシウム-塩化物泉

36.2度

pH 7.7

406ℓ/分(自然湧出)

内湯(源泉2加温2) 露天風呂(源泉1加温2)

加温加水循環消毒なし

2019.8.24 宿泊

高野山温泉 福智院(和歌山)

平安時代弘仁7年(816年)に弘法大師 空海により開創されてから、真言密教を守り伝えておよそ1200年。修禅の道場として開いた日本仏教における聖地の一つ高野山

全国の温泉地で語り継がれる弘法大師の開湯伝説。杖を一振りしたら湯が湧き出た、荒れ果てた温泉地を整えた、など。その温泉の神様のような弘法大師が今もなお居るという高野山へ。

和歌山県北部、周囲を1,000m級の山々に囲まれた標高約800mの平坦地にある高野山は、なんば駅から特急こうやで1時間20分。極楽橋駅で下車後、高野山ケーブルカーで5分。大阪から想像以上に近くてびっくりした。

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緑に囲まれた極楽橋駅。ケーブルカー駅には屋根のある通路を歩いてすぐに接続できる。

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ケーブルカーを降りた途端にひんやりとした空気に変わった。

高野山には金剛峯寺を中心に117の塔頭寺院が現存している。その中の一つ福智院は800余年前に覚印阿闍梨により開かれ、ご本尊は愛染明王という福徳円満良縁成就のご利益のある仏様。

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この地は古くから大勢の方がお参りに来て、山内の塔頭寺院が営む宿坊に泊まるのが通例だそう。現在でも52の宿坊があり、年間を通じて多くの参詣者を受け入れている。ほとんどが欧州の人で日本人は2、3割ほど。

鎌倉時代建立の福智院は、山内唯一の天然温泉を整えた宿坊。

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60室を超える客室数があり最大250名が宿泊できる、高野山で最大の宿坊。宿泊者はほとんどが外国人。しかも多分満室。

浴場は3つあり、男性用の「桃源の湯」、女性用の「天女の湯」、男女別の「炭酸泉の湯」。

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院内は広く、客室や浴場に行くには廊下や階段や池を経て迷い迷いやっと辿り着く。3つある庭は名園らしい。

欧州人の子どもたちが縁側で携帯ゲームしたり、池を眺めながらアイス食べたりしてる不思議な光景。
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男湯「桃源の湯」には露天風呂と内湯があり、露天の3つの湯船は高野槙造り。羨ましい。15時から朝の9時まで入れるけど、露天風呂だけは21時まで。女湯の「天女の湯」も入浴時間は同じ。f:id:ayumu27:20190819142237j:image

女湯「天女の湯」。一晩中入れる割にはいつ行っても数人いて、日本人独特のこの時間は混んでるとか、誰も入っていない時間帯みたいなのが全く通じなかった。

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内湯は湯船の縁だけ高野槙。香豊かな湯船、とまでは思わなかったけど、消毒臭があまり気にならないお湯だった。

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42度ちょいの湯温だけど、妙に熱く感じる。なめらかでつるつる浴感。無色透明無臭。循環消毒ありなので飲めない。

髪の毛など浮いているのが多め。ここは文化の違いで仕方ないのかと。

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露天風呂は岩風呂。そんなに大きくないので、3人も入れば窮屈なぐらい。

湯温は42度弱。外気が涼しいので、熱すぎない温度。
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湯口とは別にジェットバスみたいな吹き出しがあり。
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外国の方が喜ぶのかしら。
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元は内湯の湯をこちらに流し込んでたような湯口が壁側に。今は塞がってる。
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露天風呂からサウナに入れる。
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利用時間は15時から20時まで。

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夕食が18時からで写経が20時から。それぞれ違う時間制限がある露天風呂やサウナ、もう一つの浴場。ややこしくて、効率よく入れなかった。

結局みんな、一晩中入れる「天女の湯」の内湯を利用することになるのでは。f:id:ayumu27:20190819142244j:image

脱衣所の奥のパウダールームと、露天風呂との間に天女がいた。

湯温が28度の単純温泉。加温し、循環消毒している。300mの距離を容器輸送している。

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天女の湯の出入口にある湯上り処。螺鈿細工のお宝が飾ってある。外国の方たち、ここでワイワイ賑わってた。
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もう一つの浴場は玄関近くにある「炭酸泉の湯」。(4月から11月のみ)
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玄関まで戻って、帳場を行き過ぎたところに。男女別で入れ替えもなし。
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清潔な脱衣所。
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少し暗めで、湯船が一つだけのこじんまりとしたシンプルな浴室。
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壁の湯温計が38.2度!ぬる湯だ。
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人工の炭酸泉。血行や新陳代謝がよくなる。人工でもそうなのね。すごい泡付きらしい。

15時から23時まで。翌朝は入れないとは。時間なくて入れなかった。天女の湯じゃなくて、こっちに入るべきだった。悔やまれる。
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他に貸切の家族風呂もあるそう。(要予約、有料)

まるで旅館なんだけど、何が違うかというと、写経や朝の勤行に洋服で行かなきゃいけないので、浴衣で寛ぎ続けることができない。結局、食事も洋服で。

温泉に入ろうと思っても、洋服で行き、また洋服を着て戻ってこなきゃいけないので、温泉に行くのが億劫に。温泉に入るタイミングが難しくなる。
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部屋でも結局洋服のまま。

炭酸泉の湯に入っておけばよかったな。はなから循環消毒だと軽んじて、時間をきっちり認識してハシゴする気力がなかった結果。残念。

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でも、写経や朝の勤行はすごく良かった。

三昧堂の前にある西行法師手植えの桜も見られた。
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高野山温泉 福智院

単純温泉

28.7度

pH 7.5

65ℓ/分

男女別 内湯、露天風呂、炭酸泉風呂

加水なし 加温循環消毒あり

2019.8.17 宿泊

恵山温泉 恵山温泉旅館(北海道)

函館空港から車で真東へ50分。函館市街からは50km足らず。津軽海峡を見下ろす海抜200m恵山登山口中腹に建つ秘湯の一軒宿。

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恵山道立自然公園に囲まれ、国民保養温泉に指定されている恵山温泉は、今だに噴煙をあげる恵山を背に、眼下には遠く下北半島も望む。

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下北半島も‥望まない。あいにくのお天気で、下北半島は見えず津軽海峡もぼんやりの部屋からの眺め。

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昭和7年に開湯した恵山温泉旅館。函館市に合併されるよりずっと前は原田温泉といっていたそう。

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浴衣には原田温泉の名前が。ちなみに羽織を着ていないといられないほど寒い。

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12時からチェックインできる。なんともありがたい。
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鹿の頭や熊の写真。帳場や廊下は雑然としている。
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浴場は玄関入って右手奥。洗面台はここだけなので、二階の部屋に泊まってるけどここに降りてくる。
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お風呂は男女別の内湯のみ。チェックアウトまで一晩中好きな時に入ることができる。ありがたや。ご主人が夜は早く寝ちゃうから電気消えてるかもしれないけど、自分で付けて入ってって。

女湯の出入口にはついたてがあるけど、男湯の脱衣所はゆる〜く丸見え。多分誰も気にしない。
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脱衣所にはベンチが一つ。壁には窓と鏡。女湯の窓は終始閉まってた。真夏だけど、気温20度以下とかなり寒い日。
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看板にも『道南唯一 酸性明礬緑礬泉』とあったように、現在の泉質名でいうと酸性・含鉄(II)・アルミニウム-硫酸塩泉。鉄とアルミニウムを含む酸性泉。先月訪れた福島の微温湯温泉 旅館 二階堂(福島) - 温泉手帖♨︎とほぼ同じ泉質。
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酸性泉なので石鹸は使えないと張り紙。アルカリ性の石鹸が全く泡立たないほどの強酸性。
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10円玉をお湯に浸すと、数十秒で金属酸化物が溶け出し表面がピカピカになるそう。銀やアルミはすぐに酸化し黒ずむため、シャワーや鏡などはない。

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シンプルな木造りの湯船だけがある。奥の壁は一面が窓で裏山の笹や緑が深く落ち着く。

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湯船は足を伸ばしてゆったり入るなら3、4人くらいの大きさ。

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薄く黄色、黄緑がかった透明の湯。鉄を含むけど、酸化すると茶褐色になる鉄泉ではなく、緑色に変色する緑礬泉。

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黄緑がかったクリーム色の湯の花がふわふわ舞ってる。大きいのもある。
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鉄の匂いはあまりなく、湯口に鼻を近づけると時間によってほんのりアンモニア臭がする時があった。
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味はレモンほど酸っぱくない、きぶいオレンジみたいな味。強烈過ぎて飲めないお湯ではない。消化器系や貧血に効く。f:id:ayumu27:20190813104152j:image

湯口にはかなりの析出物がこびりついている。鉄とアルミニウムを含む硫酸塩泉。皮膚や粘膜を引き締める作用がある。

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湯船に対して十分な湯量が投入されていて、新鮮なかけ流しを味わえる。湯口の近くいると身体にかなりの泡が付く。

酸性のきしきし浴感は弱くまろやかな湯。意外になめらかなつるつる感もある。湯の中で肌をさするのも、湯から出してさするのも同じような感触。天然の保湿成分メタケイ酸が263mgも含まれていて、美肌効果もある。
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湯温は38.5度前後と絶妙な適温。気温20度以下では少し寒いくらい。ぬるいので熱さは感じないけど、20分ほど浸かっているとぽかぽかと温まり、顔から汗が出てくる。

源泉の湧出地は恵山の火口、地獄谷。パイプで2km離れた旅館まで湯を引いているので、46.5度の源泉が程よく湯もみされ40度以下の適温に。
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湯船の縁からオーバーフローしているわけではなく、湯底のここから排出されてるみたいだった。手前が湯船、向こうが洗い場。

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湯に身体を沈めて静かにじぃーっと過ごす。ほんとに静かで湯の音だけしか聞こえない。あぁ。秘湯にいる。

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湯口から湯が流れ落ちる音と、排水口に湯が吸い込まれていく音、男湯から聞こえてくる川の流れのような湯が溢れ出る音、いろんな湯の音が響き渡ってる。
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酸性泉じゃなかったら、もっともっと浸かっていたいけど。マイルールで1回1時間以内に。それを3回。もはや手遅れだとは思うけど。

入るとすぐに手足がしわしわになる。間違いなく足裏の皮が剥けるやつ。

先々週の酸性泉で皮がぼろぼろになって、先週の強アルカリ泉で見事に皮が全部取れてつるつるになってたんだけど、ここで酸性泉でさらに剥けたらどうなるんだろう。かなり心配。

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洗い場には水のカランが二つと、左側にホース。これがシャワー代わり。いや、これかなり便利で助かる。洗顔、シャンプー、ボディーソープは持参した。
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男湯と女湯の仕切りは上が開いてるので、湯の音も声もよく響く。
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酸性の硫酸塩泉は高い殺菌作用があり、傷や皮膚病に効果がある。切り傷などの治りも早い。虫に刺されたところを掻きむしりながらやってきたけど、お湯に浸かったら面白いほど痒さが消えた。

また、皮膚や粘膜を引き締める作用もあるので、湯上り後は汗が引きやすく肌はさらさら。

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夕食は新鮮な魚介すごかった。8000円台の宿とは思えない。イカめしとカレイの煮付け、過去一の美味しさだった。

函館行くなら頑張って足を伸ばして泊まりたい宿。秘湯風情が大丈夫なら。もちろん部屋にトイレなどないよ。
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歩くの嫌いな秋田犬のナナちゃん。吠えるのもめんどくさいみたい。まだ3歳だって。可愛い。

 

恵山温泉 恵山温泉旅館

★★★★★

酸性・含鉄(II)・アルミニウム-硫酸塩泉

41.5度

pH 2.2

120ℓ/分

内湯(男女別)

加水加温循環消毒なし

2019.8.11 宿泊

湯の川温泉 笑 函館屋(北海道)

函館空港から車で5分、函館駅から15分、函館の奥座敷 湯の川温泉は函館の海のそばに位置する温泉地で、北海道三大温泉郷のひとつ。

知ってる範囲で1番の好立地温泉かもしれない。来るたび、通るたびにすごいいい立地だよなぁと改めて思う。函館の奥座敷なんていうけど、奥もなにも函館じゃんか、と思う。

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湯の川温泉の湧出量は日量7,000t(毎分4,861ℓ)以上のすごい湯量で、井戸水を掘ろうとしても、100mほどの掘削で温泉が出てしまうそう。

源泉温度は平均65度前後で、函館市が所有、管理する源泉が9本、民間所有の源泉が13本の合計22本。

熱い源泉なので加温してたり、大型ホテルは循環させてたり、かけ流しでも熱すぎたりと、なかなか難しいここの源泉をかけ流しで提供している宿のひとつ、笑 函館屋へ。

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湯川町を流れる松倉川のほとりにたたずむ、モダンな温泉ホテル。

2016年4月、湯の川温泉のなかでも泉質に定評のあったという「まるせん旅館」跡にオープンしたばかり。

大浴場は男女入れ替え制で「岩浴場」と「タイル浴場」の2つ。脱衣所にフェイスタオルもバスタオルも備え付いていて快適。

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夜は1時(25時)までで、朝は5時から9時まで。夜と朝で男女入れ替え。

まず今日の女湯は岩浴場。

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広い浴室にずらりと並ぶシャワー。清潔で整然としてる。奥の突き当たりから露天風呂に出られる。

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露天風呂は内湯を取り囲むようなL字型の湯船で、広々としてる。夜中だっだけど、ガラス張りの内湯からの明かりもあって、暗さや怖さはない。
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湯口の析出物がすごい。泉質名はナトリウム・カルシウム-塩化物泉だけど、炭酸水素イオンも877mgも含まれているので重曹泉でもあり、大理石成分もありでこんな析出物になってるのかな。
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掃除大変だろうな。
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湯船の横も立派に。

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この湯口付近の湯温は軽く44度を超えてる。熱い。特に湯の上側は肌が当たると、あちっ!ってなるくらい熱い。急いで離れる。

湯口から最も離れた入り口辺りで42.5度。広めの湯船でかつL字型なので湯温に差がある。

しかもありがたいことに今夜の函館、軽く20度をきってる、真夏にしてはとても寒い夜。

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湯から出ると寒いレベルなので、42度超えていても、気持ちいい〜と浸かることが出来る。涼しい日で助かった。
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内湯も広い。大型ホテル並みの湯船の広さ。全26室だからかなりゆったりできる。しかもかけ流しで清潔でいいな。
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内湯の湯口も立派に成長してる。
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岩も帽子のつばのようになってる。
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湯口近くで43度超え、1番端に離れて41.5度。

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今日は熱すぎずに入れる湯温で良かったけど、日々時間でもバラつきあるみたい。それでもうまく調整してる感じがした。

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岩浴場、湯船や洗い場の床は石。
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翌朝はタイル浴場。1番奥の囲いのところが露天風呂。
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内湯には二つの湯船。タイルのお風呂は好みじゃないけど、ここは不快感が全くない。
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湯口はパイプそのもの。アンバランスで逆にかわいい。
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熱いんだろうな。近づかなかった。
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扉の向こうに露天風呂。こちらの露天風呂は小さめの長方形。向こうにL字型に広がっている気がして見に行ったけど、ない。
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かき混ぜ棒完備。
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湯船は周りも湯底も石が敷かれている。
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こちらの浴場の湯船、露天風呂合わせて全部で3つ。実は露天風呂と奥の内湯が繋がっていて、湯の行き来があり、うまい具合に温度調節がなされてる。
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内湯の手前側、湯口がある湯船が1番熱く、次いで露天風呂、露天風呂から湯が流れ込む奥の内湯がぬるめになっている。こういう工夫素晴らしい。
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子ども用のバスチェアも。
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塩化物泉なので、しっかりとしょっぱい。出汁味もする。湯感触はぬるつる。重曹成分が肌の汚れや古い角質を落としてつるつるにする。硫酸イオンやメタケイ酸も含まれているので、保湿効果もある。

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飲泉により、消化器官にも効く。かけ流しすごいな。ありがたい。まずいけど。
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夜の10時まで、美鈴珈琲、スパークリングワイン、函館牛乳のソフトクリームが自由に食べられる。夜ごはん外で食べてからチェックインしたので、あんまり食べられなかった。残念。

あ、朝ごはんはバイキングで、函館ならではのいくらやイカなどで丼が作れたり、花畑牧場ラクレットチーズを焼いてくれたり。函館牛乳もヨーグルトもある。

 

湯の川温泉  笑函館屋

★★★

ナトリウム・カルシウム-塩化物泉

60.6度

pH 6.8

390ℓ/分

内湯2 露天風呂2(男女入れ替え制)

加温加水循環消毒なし

2019.8.10 宿泊

関金温泉 鳥飼旅館(鳥取)

鳥取県岡山県の県境 蒜山三山の懐に位置する山陰の秘湯 関金温泉は、倉吉駅から車で20分、蒜山高原からは30分に位置する温泉地。

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鳥取県中部と山陽地方を結ぶ備中街道 (美作街道)上にあり、江戸時代には関金宿が置かれて湯治場としても栄えていた。

現在の温泉街は寂れている。大きな建物や旅館の跡は残るが、営業しているようには見えない。

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明治23年当時のこの通りは、上ん茶屋、下ん茶屋、隠居茶屋の三つの茶屋があったそうで、上ん茶屋が温凊楼(閉館)、他二つが鳥飼旅館となり、現在営業している旅館は唯一、鳥飼旅館のみに。

昭和36年頃の温泉街の様子を見つけた。この頃はまだ10軒の旅館があったそう。

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今では寂れてしまっているけど、温泉通で知らない人はいない温泉だし、日本の名湯百選の一つで、国民保養温泉地にも指定されている。

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鳥飼旅館は江戸時代からの老舗旅館。9時から18時まで500円で日帰り入浴ができる。電話で確認が必要みたいで、というか、電話に出ないとか玄関で呼んでも誰もいないなどの書き込みを見ていたので、まずは電話。

出なかったらどうしようと、どきどきしながらかけたけど、あっさり電話は繋がり、感じの良い奥さんが気をつけておいでね〜と。

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着いてみると、本当に寂れた温泉街。明らかに営業している鳥飼旅館の佇まいにほっとした。

『この温泉は、飲めます』という掲示。源泉かけ流し、消毒もなし。楽しみ。

玄関のドアは手動。出て来てくれるかなと、またちょっと不安になりながら声をかけると、とても愛想のいい笑顔の女将さんがすぐに出て来てくれた。ほっ。
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玄関奥から階段を上がり左に曲がると浴場はこちらの案内板。このドアから外に出ると男女別の内湯の入り口。
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宿泊者は夜中じゅう入れるらしいけど、男女入れ替えがあるのかは分からない。

女湯が「銀湯」
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男湯が「白金湯」。f:id:ayumu27:20190815122459j:image

関金温泉の湯は無色透明無味無臭で、あまりにも美しいことから伯耆民談記で「銀湯」と記され、以後長きに渡り「白金の湯」と呼ばれている。

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脱衣所はお世辞にも清潔ではなく、秘湯の日帰り入浴施設みたいな。スリッパをどこで脱ぐべきか迷った。

フェイスタオルが備え付けてあり感動したけど、500円しか入浴料払ってないし、宿泊者用かな、と遠慮した。

すごく暑い日の夕方近く、扇風機と網戸からの風では汗が引かない。
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浴室に入ると緑。薄暗い緑の空間だった。
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湯船はタイル。もう一つの浴室の湯船は檜らしい。いいな。檜の方が好み。
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そして、金の鶴のタイル画。

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傷を癒している鶴を行基が発見し、その後 弘法大師が整備したと伝えられている温泉なので。開湯1300年とかなりの歴史がある。

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湯船の中には椅子。半身浴できるようにとのことだけど、微妙に深く下がった湯船なので、階段として便利。
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竹筒から注がれる源泉は無色透明の単純弱放射能泉。日本有数のラジウム含有量。実は三朝温泉に次いで日本国内第2位。関金温泉と三朝温泉の湯が放射能を帯びている理由は、昭和30年に近くで水成ウラン鉱が発見され、これに由来することが判ってる。

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ホルミシス効果や温泉成分で老化や生活習慣病の予防に役立つとされ、健康効果も高い。温泉に浸かること、飲むこと、それから、

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この緑の空間で、窓を開けずにたっぷり息を吸い込むことが大切。

近くに残る共同湯の「関の湯」は塩素消毒するようになったので、関金温泉で源泉そのもののお湯に入れるのは、ここ鳥飼旅館のお湯だけになってしまったそう。貴重な貴重な湯船。

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湯船から溢れた湯は、湯口に近いこの辺りの縁から洗い場に流れ出ている。ざばざばのかけ流しではないけど、確実にかけ流されている。
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アルカリ性の析出なのか、白い析出物。
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さらさらのお湯だけど、硫酸塩泉独特の皮膚にしっかり浸透していく感じがある。若干の粒子感がありつつも、滑らかに肌を滑っていく。メタケイ酸も含むので、保湿効果がある。

湯温は40.7度前後で、真夏はやっぱり熱いけど、夏以外の季節ならゆっくり入ってラジウム吸収できるのでは。
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なんと贅沢なことにシャワーも源泉。ラジウム泉のシャワー! 今まであったことないと思う。
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以前は露天風呂があったそうで、露天用だった33.7度の源泉(毎分10.1ℓ)と、内湯用の鳥飼2号源泉の、2本の自家源泉を持っているからこそできる。

ほんとに貴重で大切な源泉と旅館。ここ以外みんな無くなってしまったようだけど、なんとしても守っていただきたい。

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関金温泉から10分程の旧国鉄倉吉線の廃線跡。竹林の緑を見てから蒜山高原へ戻る。

 

関金温泉  鳥飼旅館

★★★★

単純弱放射能

51度

pH 8.1

18.8ℓ/分

男女別内湯

加温加水循環消毒なし

2019.8.7 日帰り入浴